ゲーム開発奮闘記

Unity・エフェクト・アプリ開発に関係した記事を書いています

CEDEC+KYUSHU 2017に参加してきました①

2017/10/28(土)に、福岡で行われたイベント「CEDEC+KYUSHU 2017」に参加してきました。

受講してきた内容をまとめます。


■基調講演:ゲームから映画まで クロスメディアにおけるサウンド制作の極意
登壇者の光田さんは、レベルファイブ妖怪ウォッチなどのサウンド制作をしている。
妖怪ウォッチは、「ゲーム」「アニメ」「映画」とクロスメディアでのコンテンツである。
この3つのメディアに対して、対応するために何に気を付けてデータを作成しているかお話しされました。

「各メディアの特徴」
ゲームは、ループ音が多い、製作期間が長い
アニメは、キメ音で終わる、製作期間が短い
映画は、アニメと同様。Stem Mixが必要

「作品への理解」
新シリーズ初のタイトルの時は、まず登場キャラクターの相関図を作成する。
相関図を元に必要なテーマ曲を洗い出す。
通常ディレクターからテーマ曲の発注を受ける場合、「キャラに対して一つのテーマを作ってください」と言われるが、
それでは、テーマ曲のバリエーションが沢山必要になり、違いを出しにくくなってしまう。
なので、イナズマイレブンでは相関図を作成すること、各学校のテーマ曲を作ることで曲数のコントロールや違いをうまく出している。
必要な部分では、相関図を元にキャラに対してのテーマ曲を作成することもある。

何はともあれ、相関図を作ることで必要なテーマ曲が見えて来る。


「PVに音をはめる作業」
日野社長から光田さんへPVに対して、サウンド制作の依頼があった時の流れ。
「企画」→「シナリオ」→「PV」と制作が進められる。
レベルファイブでは、PVが強い世界観イメージになっている。
そこでPV制作がスタートする時、レベルファイブより資料データの「絵コンテ」・「Vコンテ」・「シナリオ」が送られて来る。
まず最初にシナリオが届く。
それを元に音のイメージをコメントとして書き込み、すり合わせていく。
次に絵コンテが届く。
絵コンテよりカットごとのタイム感、スピード感、楽曲の盛り上がりをイメージする。
最後にVコンテが届く。
全体の店舗間、台詞のタイミング、キャラの動きが分かる。

「まとめ」
絵が先行して上がってくる場合、セリフが重要になり音を入れる手掛かりになる。
シナリオ・絵コンテ・Vコンテどれも、セリフが書かれていると製作しやすい。
クロスメディアに対応できるように、楽器ごとに音の収録を行い、ミックスさせて再調整を行う。


■『NieR:Automata』でみるアクションのあれこれ
田浦さん:アクションパート全て担当したゲームデザイナーさん
根岸さん:アクションパート以外のRPG部分を担当したゲームデザイナーさん

「プラチナゲームスのアクション開発体制」
基本的なフローの紹介: 1.立案 → 2.仕様作成 → 3.チェック → 4.仕様説明発注 → 5.組み込み実装 → 6.チェック → 7.完成
4.5.6.の部分の流れは、何度かサイクルを繰り返して調整を行われたのちに7.の完成になる。

社内では、作ったものをすぐ遊び口頭で仕様について議論を行う。
改善案はスピード重視で、仕様書は最初の意思疎通の役割を行う部分として利用されるだけで、更新頻度は低い。指針を示すもの。

「NieR:Automataでのゲームデザイナーの担当分け」
アクションパートを田浦さん一人で担当
その他のRPGパートをそれ以外のゲームデザイナーさん(5~7名)で担当

「結果」
速いスピード開発:半年でアクション部分をほぼFIX出来た。
アクションパートを田浦さん一人で担当することで、開発体制でお話しされた、フローの1.2.3.4.5.6. と4.5.6.のサイクルを一人ですることができたことにより
スピード開発ができた。

「立案」
アクションを考える前にコンセプトを決める
1.キャライメージ:いっぱい出す!(種族、性別、身長、色、etc…)→その中か特徴的な数個を絞る
→「アンドロイド」人間にはできない動き
→「ゴシックな服装の細身の女性が日本刀をもつ」きれいな、しなやかな動き

2.ゲームをイメージ:どういうことが楽しいゲームなのか?
ニーアでは、「空間を使ったバトルが楽しい!」→機動力を高めて、動き回れるように。
動きたい時にいつでも動けるように。→基本行動に制限を付けない。(スタミナゲージなどの要素を入れないこと)

3.ターゲット層をイメージ:前作のファンの方
→重要箇所をピックアップ→シナリオ、音楽、イクラ弾幕、などなど
→画面を見た時に「このゲームは○○だ」と、他にない秀でた特徴を見つけ出すこと
→スタイリッシュで爽快アクション

1.2.3.を元にアクションコンセプトを立案する
「ハイスピードで華麗に舞う、誰でも楽しめる気持ち良いアクション」
→コンセプトによって得られるものは、目指すべき方向性の共有、迷った時の道しるべ。


「コンセプトを具現化した例」
アクションが得意な人苦手な人、どちらも楽しめるゲームにするために。
・操作は簡単で分かりやすく。→1ボタンに1機能
・ガチャプレイでも成り立つアクション→適当にボタンを押していてもコンボがつながるよう

「核となるアクションを考える」
・売り:花がある、見栄えする→敵攻撃を回避からのアクションコンボ
・モチベーション:ダレさせないようにする

「必要な要素」
・性能が高い
・リスク(ゲーム性、駆け引き)がある
・花がある。
・バリエーションがあると良い(プレイヤー、敵のリアクション)
・普段のアニメーションから移れる

「なぜジャスト回避アクションを「核」にしたのか」
・リスク→ジャスト回避
・花→ジャスト回避アタック


「発注」
アニメーターへの発注書類
・技の数
・技の属性イメージ
だけを伝える。細かい動きのイメージは、全て口頭で伝える。
「回し蹴りのアクションです」とかも書かない。ただのコマンド表を渡すだけ。

やりとりは、とにかく口頭で。

「調整」
フラグでアクションの調整をできるようにしている。
このアクションは、キャンセルできるのか、できないのか。
キャンセルのタイミングは。ターゲットの近くをロックするのか。
調整のフラグを沢山プログラマーさんに用意してもらっている。(口頭で)


「ちょっとした工夫」
例1:1つ1つのアクションをシンプルにかつ、単体で完結させ過ぎず、組み合わせで楽しませる
例2:ディレイ(飛び道具などのアクションを行った時、単純にボタン連打のときと、ボタンを押すタイミングをずらすことで辺り判定を長くさせる。→アクションの得意な人に対してのやりこみ要素)
例3:キャラクターをアニメーションさせない:ニーアがシュッとジャンプして消えたのちに、かっこいい斬撃エフェクトが画面を行き来することで、アニメーションコストを下げつつ、見栄えのするものに仕上げる。

「シナリオとアクション」
アクションのオートモードを実装

シナリオ重視のゲームなのに、シナリオスキップはある

アクションスキップできないのか?

アクションオートモード実装

アクションを小分けにオートにできるようにした。(回避だけ、必殺技だけ、など自由に設定できる)
押し付け過ぎず、選択の自由を。
オートモードの反省点:システムの奥まったところに実装したため、使ってほしい人に使ってもらえなかった。


長くなりましたので、
その他セッションの続きはまた明日以降に!

素晴らしい本との出会い 確かな力が身につくC#「超」入門

私はUnityをきっかけにアプリ・ゲームを作る事が出来ました。

Unityでアプリを作るには、C#を使う必要があり
ソースを組み立てる際に様々なブログ記事・リファレンス・書籍を読みつつ
コピペや写経を行い独学で学習していきました。

そんな中、基礎が出来ていない自分の中のモヤモヤが日々たまっていた所
「確かな力が身につくC#「超」入門」の本に出会えました。


確かな力が身につくC#「超」入門 (Informatics&IDEA)

確かな力が身につくC#「超」入門 (Informatics&IDEA)




この本は、タイトルの通り「確かな力が身につくC#「超」入門」になっていました。
とにかく説明が丁寧であり、プログラムを組む際に考えるべきことを順序立てて説明されおり
各章が読み進めるのに対して、しっかりとステップアップを意識した構成になっておりました。

1度読み終わり、しっかりと手を動かすことで身につけられたものが多くありました。
近いうちに2回目を読み直そう!